Mic Sejaの小型高性能車シリーズ特05弾:1975年 Porsche 911
2024.9.6
Mic Sejaの小型高性能車シリーズ特05弾:1975年 Porsche 911
1.1973年カーグラフィック
1970-年代前半と言えば、ポルシェは神がかり的なモデル、911は毎年レーシング的な性能を追求したスペシャル・バージョンを発売し続けていました。例えば軽量化の為のドアラッチがロープであったり、エンジンを吹かすと「フ ァーン」と吹け、ストンとアイドリングに戻ってしまうとか、当時国産車は重いしエンジンも「ブ ブワーン」と吹け上がり「ブ ブーン」となかなかエンジン回転が落ちてこないのが当たり前だった時代にそれはそれは神秘的に感じられたものでした。
そんな中、当時の自動車趣味人のバイブルであった(今でもそうかな?)カーグラフィックにRSの試乗記事、筑波山中を駆け回った記事が記憶に焼き付いています。
2,いろいろなところで見かけた911RS達
911RSは耐久性も十分なのか欧米のクラシックカーラリーとかオークションでもよく見かけるモデルです。
*写真左上からモンテカルロラリーヒストリーク出場車、右上ペブルビーチのWorldWide Auction出品車、下側は同 Bonham Auction出品車
3,ウィンズオートの911S
ウィンズオート岩田さんのご厚意で試乗した1974年911Sをベースにした車です。ルマンクラシック出場車という事で歴史の詰まった貴重な車でした。
ルマンクラシックのホモロ書類には”元イメージ”がRSと表現されています。エンジンコンパートメントドアのダックテールがそう思わせる源かと思います!
補助照明類などは取り付けられておらずスッキリしたフロントビュー。
Carreraのサイドステッカーも格好良い!
水冷時代になるとリアのオーバーハングが気になってきますが、本RSレプリカでは、ポルシェの巧みなデザインの成果か、あまり気になりません。
リアはRRにも助けられ十分な荷重が期待できるのですが、フロントはドライバーの腕次第。コーナーのかなり手前から、まずは左右前輪に荷重を持っていき、ステアリング切り始めるあたりで以下にコーナー外側の車輪に荷重を乗せるか!失敗するとへなへなとフロントが流れるか?それともリアのキャンバー変化でスピンモードに入ってしまうか?
室内はロールケージが貼り巡らされ、純レーシング仕様、でも落ち着いた大人の雰囲気
エンジンはKジェトロニクス仕様。レーザーシャープの具体例、でもアイドリングも安定していて文化的、低速トルクもたっぷり!大昔、スバル360で培ったスロットル(アクセルペダル)とクラッチ操作でトルクを捕まえながらスパイクスタート、気持ちすこぶる良し!
ちなみにスバル360はツーサイクルエンジンだったので、回転が上がってシリンダ内の掃気がきれいになるまではトルクがスカスカ!ちょっと空ぶかし気味にスロットルをあおってからクラッチをつなぐ技が必須でした。
4,「911はコーナリング中は絶対にアクセルを緩めるな」と言う伝説
スプリングは標準よりはかなりストロークが縮まっていますが、行動を走りるに硬すぎるわけでもなく、レーシングカー仕立てにしては乗り心地の良好です。スィングアクスルの911「はコーナリング中にアクセルを離すとスピンする」と言う伝説が付きまとい、事実友人の一人は一台配車にしていますが、今回乗せてもらったRSレプリカでは、私の腕の許すゆっくりコーナリングでは特に恐怖を感じませんでした。レーシング・サスでキャンバーの動きが制約されているせいかもしれません。
5,感覚マシーン:ポルシェ
最近のマニュアルミッション車はクラッチが切れるだけで、クラッチフェーシングのフライホィールへの喰いつき具合がほとんど感じられませんが、この911RSは、「アッ!フェーシングが少し当たったぞ」「オッ!ほとんどミートしたな1」的にクラッチペダルから情報が伝わってくる。
クラッチに限らずポルシェと言う車の価値は運転者の感覚・フィーリングのとてもリニアにレスポンスするところにあるとっ筆者は思ってます。普通に街中の一般道を走っていてその先が90°のコーナーだとすると、運転者はコーナーの先を予想しブレーキをかけて速度を調整する。普通の車だと「オット!少し踏み過ぎた」「アレ!思ったよりスピードが落ちないな!」とか運転者の感覚と車の動き(反応)が一致しない!それがポルシェだと「ヨーシ、ジャスト狙い通りの速度でコーナーに入れた」という事になる。ステアリングも同じ、ステアリング・ホィールの操舵を入れると思った通りの反応を生み出してくれる。まさに「感覚マシーン」
この感覚マシーン作りこみがポルシェと言う会社の文化であり・価値なんだと思います。それを実現するためにガッチリした車体に高級良品部品を組み付けている1.安いボデーに色々工夫をしても本質へなへなは変わらないようです。
6,スポーツカーは軽くて小さくあるべき
最近はいつの間にかGT(グランドツーリングカー)がスポーツカーの一分野にカウントされるようになってきてますが、マスコミは大丈夫なのかしら? 車の運転と言うのは早いだけが楽しみでありませんよ。まずはアクセルやブレーキで車の動力成分を繰るする喜び、道路に合わせてコーナリング曲線を想定してステアリングを繰る喜び、そして前後のホィールにかかる荷重を調整しCPを引き出す喜び、これらを味わおうとしたら車はなるべく小さく・軽くなければいけない!スポーツカーと言うのは軽くて・小さくないといけません。
以下に私の頭に浮かんだ名車の車幅比較を載せます。今回の911RSは日本のワインディングロードでは最大許容範囲化しら?実際走ってみると高速道路インターチェンジなどちょうどよい感じ、という事は筑波の山はいいけど御岳スカイラインには大き過ぎという感じかな?
ついでにロータスエラン・ポルシェ911RS・カウンタックの上面図に幅約2.5mの道路を想定してみました。カウンタックだと道路の曲率に沿って走るのがやっと、でもエランならコーナリング曲セインを相当に選べますよ。911RSだとギリですかね?
7,高速巡行も大事だけど、コーナー脱出がスポーツカーの醍醐味
レーザーシャープのエンジンは低速から高速までとてもフレキシブルですが、5速のギアレシオがまた日本の山道を走るのにピッタリ!7500rpmまで回すと、1速:65km/h、2速:107km/h、3速:165km・h、4速:216km/hと比較的分散したギア比です。先日乗せてもらったBMW M3 ゲトラグはサーキットのコーナー脱出専門マシーンでしたが、今回のRSレプリカは公道ワインディングロード専門コーナリングマシーン(と言うより公道もサーキットも)でした。
<本稿完>
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