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Mic Sejaの小型高性能車シリーズ第37弾:マツダB360トラック

2023.8.15

Mic Sejaの小型高性能車シリーズ第37弾:マツダB360トラック

<その頃、軽四輪の制限速度は40km/hだった。>

今や軽四輪と普通自動車の速度制限に差別はありませんが、1960年代半ばまでは一般道では40km/hに制限されていました。普通車の制限が50km/hや60km/hでも軽四輪は40km/h!

普通自動車に対しブレーキなどの性能が劣っているなどの要因で安全のため40km/hと決められたんだと思います。

尤も当時は高速道路は未発達で国道と言えども片側一車線が当たり前!軽四輪に乗っていると当然のことながら「ア!・・・」と言う間に普通車に追い付かれ、今で言う「煽られ」の状態になってしまいます。警察を心配しながら蛮勇をふるって60km/hで走ってみたり、道幅の広いところで路肩に寄せて追い抜かせたり!

ある時、なかなか追い抜かせる場所が見つからないで、長い間トラックを引き連れて走っていたら、遂にトラックの運転手が「切れて?!」(当時はそんな言葉なかったけど)凄い勢いで煽られホウホウの体で逃げ回った記憶がよみがえります。

<トルクとシフト(ギア比)の知恵比べ?>

マツダB360と言えば、フレーム付きのピックアップボディ、急坂路発進を保証するトラック専用のギア比配分。

*超スローのレシオの1stギア、

*2ndも坂道仕様、

*続く3rdは40km/h規制道路での追い越しギア比(30km/hくらいで走る車追い抜き用)、2ndと3rdはワイドギャップギア比。

*4thトップは積載状態でも規制の40km/hを可能にする低めのギア比。B360のカタログ最高速度は90km/h。

もともと1000ccまで拡大することを前提とした360cc水冷4気筒、「本物の4輪車エンジン」ではあるけれどオイルポンプなどの設計が1000cc前提なのか?妙にフリクション(と言おうか動かす部分)が多く感じられ、結果 低い回転数でトルクが薄く、高回転側もすぐトルクが頭打ちになってしまう、全体にトルクの薄く感じさせるエンジンでした。(でも日本グランプリでは10000rpmくらい回せるとかで早かった!)

<ライバル出現!>

当時としては珍しい片側2車線の直線路、数百メートルごとに信号機、何とかして次の信号が変わる前に通り抜けしたくて、全力加速!とトルクとシフトの知恵比べをしていたら、ライバル出現!

ライバルは同じエンジンを積んだマツダ・キャロル360!、車重が50kg位軽いけれどワイドギア比のトランスミッション。こちらB360は一人乗車、ライバル・キャロルは大人二人!重量的にはほぼ互角のはず!

以心伝心?ではありませんが、ライバルもバトル・モード!

すぐに頭打ちになる1stギアで発進した方が早いのか?多少クラッチに無理をかけても2ndギアで発進するのが早いのか?取り合えず、1stギアで発進し2ndギアへダブルクラッチ操作で宥めすかせてシフトアップ。

2ndもギア比が低いトラック仕様、オーバーレブさせて引っ張ったとしても3rdにシフトアップした途端にエンジン回転数がガクッと落ちてトルクもダウン。競争心もありオーバーレブさせる選択。

3rdもエンジントルクの落ち込みと、トップの4thへのシフトアップによるギア比ジャンプの知恵比べ。

何とかトップのクルージング?に入れたと思ったとたん、次の信号が黄色に! 両車、信号停車。

ライバルさんも、B360を意識してか、信号が青になるとともに猛?加速!どちらも加速に時間がかかり過ぎて次の信号でつかまり減速、青になるとともにフル加速。

4回目くらいの信号でライバルのキャロルがちょっとフライング?気味で信号を通過!負けた!!

でも今のオートマラクチン仕様の車と比べると、知恵を使って車を繰る楽しさ!どっちが高「性」能?なのかしら? (感性、知性)

<マツダB360>

*日本自動車博物館にて

*どこかに展示されていたカタログの写真だったと思います。

*4速フロアシフト!セパレート・シート!何となく現代のスポーツカーみたいなスペックですね。

<マツダ・キャロル360>

<水冷アルミ直列4気筒エンジン>

*B360のエンジン

*キャロルのエンジンルーム

*参考ファミリア1000

<考察>

色々な「6速300馬力4輪駆動」とかが転がっている現代、確かに車は早く走るし、早いという事は麻薬のような陶酔感を呼び覚ませますが、「車を繰る楽しさ」とは別次元に感じます。懐のさみしい自動車遊び人でも楽しめる車がもっと世の中に出てこないかしら。古い車でしか叶わないのかしら?でも古い車もやたら高価になってきましたが!

<本稿完>