Mic Sejaの小型高性能車シリーズ第35弾:三菱A140ランサーGSR 2023-01-21公開版
2023.5.14
Mic Sejaの小型高性能車シリーズ第35弾:三菱A140ランサーGSR
<無理やりお洒落なランサー>
社会人となって直ぐの頃に、友人が発売直後の三菱ランサー1400を購入しました。日本のモータリゼーション約十年目、周りはいわゆる大衆車ばかり。小型でも一家全員が乗れるようにと頑張った箱型ばかり。その中でヘッドランプからフェンダーにかけて盛り上がった、なんとなくポルシェを彷彿させる、「無理やりお洒落」な印象の車でした。
「一家が乗れて丈夫で長持ち」の箱車ばかりの市場ではちょっとお洒落に見えたものです。
ちょっと前に発売されたギャランと同じサターンエンジンが載っている。当時のカローラやサニーはアクセルを踏んずけると「ブォーン・ブツ・ブツ」とふけあがり・「いやいや」回転を落とすのに、サターンエンジンだと「フォワーン・ストン」てな感じで元気よく駆け上がって・ストンと欠け落ちてくれる。エンジンが一枚高級になった感じがしたものです。
<ランサーGSR>
このサターンエンジンの1600CC版をツインソレックスでチューンし、軽く小回りの利くランサーボデーにのっけたわけだからスポーティー。競合のカローラは2TGツインカムで武装してきたから、ランサーもギャランGTO・MRのツインカムと言う選択肢もあったような気がしますが、三菱は手堅くSOHCでまとめてきていました。友人の乗っていたGSRにちょっと乗せてもらって羨ましく感じた次第。
インパネもお約束のメーターがぎっしり!
エンジンも1600ccサターンSOHC 三国ソレックス!
当時は日本中ダートの山道がたっぷり。フロントはマクファーソン・ストラット、リアはリーフ・スプリングのリジットアクスル。カーブの奥まで突っ込んでフルブレーキングしてから、「エイヤッ!」とステアリングを切って、後を流しながら走り回ったものでした。昔の記憶なのではっきりしないけれど、TE27レビンよりボデー剛性があって、サスもしなやかだった気がします。
<国際ラリーでのGSR>
取り回しの良いボデーサイズと高性能サターン・エンジンのおかげか、サザンクロス・ラリーとかサファリ・ラリーでランサーGSRは大活躍。その後の二代目ターボ・ランサー、四代目のランサー・エボリューションの元となった歴史です。
<乗り直しドライビング・インプレッション>
そんな一代目ランサーGSRのラリー仕様車に乗せてもらいました。長年酷使されてきた個体でしたが、トルク・フルなエンジン、カチっと決まるシフト・レバー、とても素直なサスペンションと、これなら旧車ラリーで終日走っても、体力が続きそうな良い感じでした。
ボデーはロール・ケージでがっちりと固められていて剛性感は昔の記憶以上!サスも現代のショックアブソーバーが奢られているせいかとても素直!基本的にはリジット・サスペンションらしい後輪のコントロールがしやすい素直な性格なのが印象的でした。
(インパネは上記の車とは昔何処かで手に入れた別の車の写真です。)
エンジンもとても調子よし。
<考察>
400馬力以上・四駆電子トルク制御・ベクトリング・シーケンシャルシフトのお金をつぎ込んだ現代のラリー車は運動神経抜群の天才しかコントロール出来そうもありませんが、50年前のランサーGSRは私の運動神経でも操れる素直な車。でもコントロールする楽しさは変わりなし。スポーツ・ドライビングの楽しさは速度やラップタイムだけでは無く、制約の中で少しでも上を狙う、旧車レースが面白い。
<本稿完>
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