Mic Sejaの小型高性能車シリーズ第29弾:ランチア デルタ インテグラーレ 2022-11-01公開版
2022.11.1
Mic Sejaの小型高性能車シリーズ第29弾:ランチア デルタ インテグラーレ
<峠道にて>
あれは多分1995年くらいのことでした。友人が手に入れたランチア・デルタ・インテグラーレ(多分8V)を借り出し、峠道を走らせる機会に恵まれました。欧州ラリーでの無敵状態だったデルタ・インテグラーレ、正直 高性能4輪駆動車は、セルカGT Fourくらいだった筆者にはとても新鮮な印象を与えてくれました。
当時の自動車雑誌のインプレ記事が「4輪駆動は曲がらない」と書いていた影響か、事前に乗ったセリカGTFourでは「曲がりにくい」を裏づけるような印象を持ち、デルタも曲がらないんだろうと高をくくっていましたが、実際の印象はかなり違った印象でした。
道路条件がよかったせいでしょうか、相当に攻めたスピードがよかったのでしょうか、思った方向にコントロールできるのでうれしくなった記憶があります。
一つは外側のフロイント・タイアの移置がつかみやすいこともあって、アウト一杯に寄せてからステアリングを切り、「グッ」とアクセルON、安定してコーナーを脱出していきます。
そんなわけで、ステアリング操作は落ち着いたものでしたが、ギア・シフトは大忙し。クロース・レシオのせいもあり直ぐにエンジンのレブ・リミッターをヒットしてしまうので、懸命にシフトを繰り返していました。
<フロント・ホィールの移置>
先日、アルピーヌA110乗りの先輩が「A110はフロントの・ホィールの移置がはっきりわかる!まさにラリー向き」と言っていました。
また、ベンツのゲレンデ・バーゲンの切り立ったウィンド・シールドと運転姿勢は悪路で前輪のコントロール性が目的だとの宣伝を読みました。
多分デルタも比較的角ばったウィンド・シールドと立ち気味の運転姿勢で全輪位置がつかみやすいのではないかと想像します。
右コーナーで、左側のホィールを崖一杯まで寄せられる!ラリーに強いわけだと感心しています。伝統?
<4輪駆動のコーナリング>
先年、英国のレース・レトロの走行会で三菱ランサーの走りを身近に観察する機会がありました。四輪駆動ラリー・カーの走りは二輪駆動ラリー・カーとは全く違ったコーナリングをしていました。
二駆はセオリー通り減速してクリッピング・ポイントを廻り、テール・スライド的に尻を振りながら加速していくに対し、四駆はコーナー手前で逆方向に小さくステアリングを切ってフェイント、荷重を外側にかけ一気に方向を変えるとともにフル加速、直線的にコーナーから脱出していきます。ステアリングで姿勢を不安定にして向きを変え、フル・アクセルで車体を安定させ、四駆で全力加速する、そんな感じです。
借り車で攻めきれなかったものの峠道のデルタ・インテグラーレの安心感はこんなところに起因しているのだろうと納得した次第です。
*ランサーのコーナリング姿勢(上と下左)とFFサンビーム(下右)の姿勢
<御岳ヒルクライムで見かけたデルタ達>
相当にチューンアップされたきれいなデルタ達が沢山参加していました。日本には相当沢山のデルタが住んでいるんだろうなと思わせてくれました。
<感想>
30年ぶりの円安水準、円高の時代に日本に移住してきた旧車達が、また欧州に帰ってしまうのではないかと心配です。コロナ支援金が勝つか?円安が勝つか?つまり「支援金太り」が円安を跳ね飛ばすのか?それとも円安で海外バイヤーが勝つのか?
<本稿完>
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